運用するリスクと運用しないリスク

リスクは運用する時だけではない

 リスクが低い運用があっても、リスクの全くない運用というものはないことは多くの人が理解しているところです。危険は全くない絶対に儲かるという話があったらかなりの確率で詐欺だということはわかりますよね。

 

 運用のリスクとリターンというものもは概ね比例します。同じ運用でも知識や経験などによって可能な限りリスクを低くしながらリターンを多くするのが運用の醍醐味ではありますが、それにも限度というものがあります。

 

 リスクとリターンが比例する理由はいわゆるリスクプレミアムというものがあるからです。

 

 例えば1000万円の運用を預金で行うとすればリスクは極少です。1000万までならペイオフがあるのだからリスクはゼロではないかと思う人もいるかも知れませんが、国が100パーセント約束を守るわけではありませんし、守る意思があっても国が破産したり、外国から侵略されてしまったりすれば当然履行することはできなくなります。しかし、そういったスクは非常に低いため、リスクはあるけれどほぼゼロに近いと判断されます。

 

リスクゼロ

 

 であるので、リターンも比例して極小、つまりほぼゼロということになります。つまり0.1%の金利(運用益)ももらえないということになります。

 

 FXで1000万円を100倍のレバレッジをかけて10億円分のポジションを持ったとすれば1日経たずして元本の1000万がなくなってしまうリスクがある代わりに同じ期間で元本が倍になることもあり得るわけです。

 

 リスクを取る人にはご褒美がありリスクを取らない人にはご褒美はないわけで、このご褒美をリスクプレミアムと言います。

 

 さて、本題です。

 

 個々の投資はそれぞれハイリスクハイリターンだったり、ローリスクミドルリターンだったりするわけですが、とにかくリスクを取りたくないという人は運用をしなければリスクはゼロということになるのでしょうか。

 

 残念ながらそういうことにはなりません。特に現代において運用をしないという選択は、人生におけるリスクを非常に高めてしまうことになるのです。

 

 正社員の平均年収が500万もいかない時代です。手取りの年収は300万円台なわけで、独身時代ならいざ知らず、ここから年間に100万円も貯めることはかなり難しいでしょう。ましてや子供がいたり住宅ローンがあったりすれば貯蓄がほとんどできない人も多いのではないでしょうか。

 

 仮に家も買わない、子供の教育資金も無視する、リストラもされない、会社も潰れない、大きな病気もしないという前提の下に、年間100万円を30年間貯め続け一切運用をしなかったとすれば定年時に手元に3000万を持つことは可能でしょう。

 

 60歳で定年後平均寿命の80歳まで生きたとすると20年間を3000万円で生きていかなければなりません。一ヶ月あたり12万円ちょっとで夫婦2人生きていけますか?

 

 私自身年金は全く期待していないというか貰えないものとして人生設計していますが、仮に貰えるとしても人口構成を考えれば、30年後には現在65歳から支給の年金は良くても70歳(厚生労働省も70歳に引き上げると言っています)からの支給であり、実際にはもっと遅くなることも考えられ、さらに支給額の引き下げも確実にあります。

 

 仮に年金が70歳から貰えるとしても、60〜70歳までは月に25万円で生きていくわけですが、70歳になった時点で貯蓄がゼロになり、年金額が生きていくのに少しでも不足すれば即生活保護です。

 

 実際には、住宅ローンがあったり(月に8万ちょっとのローンであれば年間100万円となり貯蓄すると仮定している100万円はそれだけで吹っ飛びます)、子供の教育資金だって小中高と公立で大学も国立に入っても800万程度かかり(塾代は除く)、全て私立であれば余裕で2000万を超えてきます。

 

 会社の平均寿命が10年を割っている現在、自分が定年まで勤めている会社が存続しているという仮定自体が無理がありますし、リストラだってかなりの確率であるわけですが、そういったものを全て無視しても単純に貯金しているだけではかなり厳しいというのはわかるでしょう。

 

 つまり運用をしないという選択が非常にリスキーであるのが現代日本なのです。戦後から2000年ぐらいまでは運用をするリスクとしないリスクを比べれば、運用をしないリスクの方が低かったと思います。国や企業がしっかりとサラリーマンを守ってくれていましたから(高額な退職金、十分な年金など)、リスクを取って運用する意味があまりなかったと言えます。もちろん、人よりも良い生活をしたいとかお金持ちになりたいという人であれば運用するリスクを取る意味はありますが、普通に穏やかな年金生活の老後を送りたいという人にとっては運用するリスクを取る意味はなかったのです。

 

 しかし、今は時代が違います。運用しないという行動は長期で見れば余りにもリスキーです。

 

 そのために、私はFXでも不動産でも自分の好みで良いので運用をすることを薦めているわけです。そして運用のリスクを下げるのは知識と経験です。しっかりと投資に関して勉強し、人生の早い時期から運用の経験を積むことによって、同じ投資をしても人よりも低いリスクで高いリターンを得ることが可能になるのです。

 

 このサイトを読んでくれている人たちも、まずは運用に関する勉強を始めてみませんか。ロバートキヨサキが言うところのファイナンシャルリテラシーは確実に上がります。


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