1000万円の資産運用で気をつけること
1000万円の運用は100万円の運用とは違い、失敗しながら覚えていくということが出来ません。
資産の運用経験がなくても、100万円であれば試行錯誤しながら痛い目を見て実践で覚えていくという形はありです。私自身は石橋を叩いて渡る方なので、まずは知識をしっかりと蓄え、勉強した上で始めますが(それでも実際にやってみなければわからないことはたくさんあります)、能書きは良いからまずやってみて、その中で覚えていけば良いという人もいます。スピード重視の考え方ですね。
100万円程度の資産であれば、私はそれでも良いと思います。失敗してそこから学び、また100万円貯めて再度運用を始めれば、最初に運用に挑戦した時よりももっと上手くなっているでしょう。
しかし、1000万円を知識なく運用に回すというのはとてもじゃないですがお勧めできません。もしも運用に失敗して丸ごとなくなってしまったら、立ち直れないぐらいのダメージがあるのではないでしょうか。仮に良い勉強になったと割り切れたとしても、次に1000万円貯めるためにはどのくらいの時間を無駄にしてしまうでしょう。スピード重視のはずが、うさぎが亀に負けたように結果的には遅くなってしまう可能性が高いでしょう。
まずやってみてダメならすぐに撤退するというやり方は、ビジネスでは有効ですが運用となるとまた話が変わってきます。ビジネスの世界では、モタモタしている間に他社がそのニーズを見つけて先にサービスを提供してしまうかも知れません、また機を逸したことによってそのサービスの需要はなくなってしまうかも知れません。
株式投資でも不動産投資でも、モタモタしている間に他人が始めてしまい市場がなくなってしまうということはありません。また、法令で株式市場を禁止するとか土地の私有を禁止するとかしない限りニーズがなくなるということも通常考えられません。運用を急ぐ必要はないのです。
また、特に不動産投資はやってみてダメならすぐに撤退ということはできません。物件の売買には時間がかかります。急ぐ場合は買い叩かれて相当の損失を覚悟しなくてはなりません。
もちろん、10年も20年も勉強ばかりして全く運用を始めないなんてことは論外です。しかし、自分が運用を考えいてる分野の基本的なルールだけはしっかり押さえておかないといけません。
1000万円もの現金を持っていて運用を考えているなんて言ってごらんなさい、そこらじゅうから運用の専門家と称する人間たち(一部上場企業の営業から詐欺師まで)が集まって、「オーナーさんは何もしなくて通帳だけを見ていて下さい。あとは私たちプロにお任せを」なんて甘い言葉であなたの1000万円を一瞬でむしりとっていくでしょう。
自分は何もしない、勉強もしない、知識もないで運用が成功するなんてことはないのです。しっかりと勉強して、様々な人たちと渡り合い、詐欺師とは戦わなければならないのです。そのための武器が知識なのです。丸腰で運用という危険な世界に飛び込むのは無謀なのです。
1000万円もの大金を運用するにあたり、時間を惜しんでお金を無くす愚は犯してはいけません。
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