サラリーマンが資産運用をしないとどうなるか
普通に働いているサラリーマンが、自分の持つ資産を全く運用せずに定年まで働き続けたらどうなるでしょうか。
私(1972年生まれ)の親の世代はただ普通にサラリーマンとして働いていれば経済的には安定した幸せな老後を送ることが約束されてました。
理由はいくつかあります。まず、基本的には終身雇用が守られていたこと。そして年功序列式の賃金体系であったこと。さらに退職金が充分な額が支給されたこと。最後に、年金が60歳で定年した次の月から充分な額がもらえたことなどが主な理由です。
しかし、現在のサラリーマンの状況はどうでしょう。終身雇用なんてもう誰も信じていませんし、給料も公務員や一部の大企業のみ年功序列で確実に上がっていきますが、多くの企業では完全な意味での年功序列賃金体系はすでに破綻しているでしょう(ちなみに公務員も50歳以上や55歳以上という限定でこの数年何度も給料を下げています。逆に今まで給料の安すぎた若年職員の給料は上げています。つまり公務員ですら年功序列の崩壊が始まっているのです)。退職金も昔は数千万円も普通にもらえてましたが今は出れば御の字、年金がなんて支給額は下がり続けるわ、支給開始年齢は既に65歳で、将来的には支給額はさらに下がって支給開始年齢はさらに上がることが確実視されています。
つまり、私たちの親の世代と現在では前提とする条件が全く違うわけですね。条件が違う以上、自分の親と同じ行動取っても親と同じ結果にはならないということです。
さて、親の世代と同様、運用など全くしないサラリーマン人生を送るとどのようなことになるかということですが、ちょっとシミュレーションしてみましょう。
2013年の正社員の平均年収は446万円です。手取りで言えば350万円前後でしょうか。貯蓄に回せるのはせいぜいが年に100万円程度でしょう(実際は年100万円の貯蓄は出来ない人のが多いでしょう)。30歳で結婚して毎年100万円を貯蓄に回し、40歳の時点で頭金1千万円で4000万円の戸建てを35年ローンで買ったとします。
これ凄いヤバいことだってわかりますか?40代ともなれば子供の教育費もかさみますし、お金を貯蓄に回ることは中々できないのを無視して年間100万円のペースで貯蓄し続けられたとしても、60までに2000万円しか貯まらないんですよ。運用してないと。
60歳でローンの残額は約2000万円あるので(ローンが元利均等ではあく、元金均等であれば1300万円前後でしょうが)、それを繰上げ返済したらもうそれで終わりです。
退職金が出なかったらどうやって生きていくのでしょうか。年金は今でも65歳からの支給で、近い将来70歳からの支給になると言われています。20年後には確実に70歳以上となっているでしょう。60歳で仕事を辞めてから10年間どうするのでしょう。
仮に退職金が2000万円も出たとしましょう。それを年金が支給されるまでの10年間で使うとなると年間200万円しか使えません。これで夫婦2人生きていくのは非常に難しいです。年間200万円で生きていくのにギリギリですし、東京で言えば医療費や住居費まで支給される生活保護の世帯よりも確実に貧しい生活を強いられます。
退職金が2000万円も出たとしてもこれですよ。退職金が出なかったら家を売ってその後は生活保護を受給せざるを得ません。売ったところで4000万円で買った家が2000万円で売れたとしてもローンが終わるだけで住むところはありませんが。
つまり、平均年収ぐらいのサラリーマンが資産運用を全くせずに人生を過ごすとなるとかなりの確率で貧困層に陥るということになります。
人生の早い段階から、自分の持つ資産を運用し、不労所得を増やしていくのが現代においてどれほど大切なことかわかりましたでしょうか。
不労所得の多くは投資(運用)であり、その運用は自分に合ったもので構わないのですが、やはりそこは利益を出すのが難しいもの比較的楽なもの、利回りが高いものもあれば安定しているものもあり、私としては長期に渡り安定的にある程度の利回りが見込める賃貸収入目的の不動産投資が一番良いと信じています。
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