住宅ローン金利交渉方法

住宅ローン金利の引き下げを銀行と交渉する

 住宅ローンの金利は安ければ安いほど良いに決まっています。しかし、住宅ローンの金利を下げるには銀行との交渉が必要なのです。黙っていれば銀行の方から金利を下げてくれるなんてことは起こりません。

住宅ローン金利を銀行と交渉する男性

 住宅ローン金利の交渉をするために最初にやらなくてはいけないことは自分が今組んでいる住宅ローンの金利が安いのかどうかを確認することです。

 

 金利の優遇を取れているのか、取れているならどれだけの優遇が取れて現在は何パーセントで組んでいるのかということは自分でわかっていると思います。

 

 しかし、この金利が安いかどうかを他の人の金利と比べてもあまり意味がないことです。もちろん、借り入れの額も返済期間も一緒で、年齢も勤めている会社も給料も勤続年数も家族構成もクレジットカードの枚数も全て一緒で、オートローンの額や年数まで、それこそ金融機関が考慮する全ての与信の情報が一緒だというのならば比べれることにも意味があるでしょう。

 

 極端な例で言えば、同じ銀行で住宅ローンを組んで、勤続20年、年収1000万の公務員が3000万の物件を頭金1000万入れて2000万の住宅ローンを組もうとする時の金利と、勤続2年、年収300万の新人サラリーマンが2000万の物件をフルローンで買おうとする時の金利は違うので、他人の金利と比べることは参考にはなってもあまり意味をなさないのです。

 

 銀行に行って、他の人はこれぐらいの金利でやっているのだから、私の住宅ローンの金利を提げて欲しいと交渉しても笑われるだけです。

 

 この場合、自分の住宅ローンの金利が安いかどうかは他人の住宅ローンとではなく、他の金融機関が自分に提示する住宅ローンの金利と比べることが重要なのです。

 

 例えば自分が銀行から3000万円を35年ローンで借りている今の金利を、借り換えをしようとしたら他の金融機関が自分に提示してくれる金利と比べて安いのか高いのかということです。

 

 もしも、他の金融機関が提示する金利が現在組んでいる住宅ローンよりも高いとか同じぐらいということであれば、銀行と交渉する必要はありません。あなたの与信の範囲内で一番安い金利で借りられているということです。

 

 しかし、他の金融機関が提示する金利が現在の金利よりも安い場合は、銀行と住宅ローン金利の交渉をして現在の金利を下げてもらう余地が出てきます。

 

 他の銀行がどれくらいの金利を提示してくれるかは、ネットで簡単にわかります。

 

 ネットで複数の金融機関から提示された条件を比較し、一番有利な条件の資料を持参して銀行に赴き、金利を下げてくれないと借り換えますという脅し文句で金利の交渉に入るわけです。

 

 ただ、一般的に住宅ローンの借り替えのメリットがある条件として、金利差が1%以上、ローン残高1000万円以上、ローンの残り期間が10年以上ということが言われています。これらの条件が揃わないと借り替えるメリットがないとされています。借り換えの際にかかる諸費用の額が金利差から生まれる節約分を上回ってしまうという計算です。

 

 銀行はその点を突いてくるので、上記の基準を満たしていない場合、「金利は下げられませんし、借り替えたとしても借り替えの諸費用で損してしまいますよ」ということを当然言ってきます。

 

 ただし、この基準には穴がありまして、それは銀行も良くわかっているのですが、そのことは黙っているんですね。それは保証料の問題です。

 

 借り換えの際の諸費用の大きな部分を占めているのは保証料です。保証料は借入額の2パーセント程度を支払わなくてはならないので、借り換えの際にこの額を支払わなくてはいけないのならば、やはり上記の基準を満たさないと借り替える意味がありません。

 

 銀行員は実際に借り替える手続きに入るまでは言わないことが多いのですが、借り替えの際に保証料は返ってきます(全額ではありません。今まで毎月ローンを払ってローン残高が減っている分保証料も減っているので、現在のローンの残高に応じて返ってくるという意味です)。

 

 その返ってきた保証料を新たに組む住宅ローンの保証料にあてれば(もちろん、実際には現在組んでいる住宅ローンを借り替えて完済した後に保証料の返還があるので一旦自分で新しい保証料を払った上でその後、保証料の返還を受ける形なります)、保証料自体はプラスマイナスゼロになり、借り替えの際の諸費用は非常に小額になります。

 

 さらに言えば、現在は保証料を取らない金融機関も増えており、元々組んでいた住宅ローンの保証料が返ってくるだけで新たに支払う必要がない銀行もあるので、実際には金利差が非常に少なくても十分に借り換えメリットがあるということパターンも多いのです。

 

 住宅ローンの保証料の問題に関しては「借り替えの際の注意点」で詳しく説明しておいたので読んでみて下さい。

 

 もちろん、ローンの残高があと200万円しかなくて金利差が0.1パーセントしかないとかであれば借り替える意味はないので、銀行に行って金利を下げてくれと交渉しても相手にされませんが、ある程度のローン残高と金利差(例えば500万円とか0.3パーセントとか)があれば交渉する意味があります。

 

 当たり前ですが、実際に住宅ローンを借り換えるよりも、現在組んでいる住宅ローンを借り換えずに金利を下げてもらうことが一番良いわけで、借り替えは交渉の材料であり、銀行が金利を下げてくれない時の最終手段であるため、そこを理解していれば、銀行員をいらだたせるような発言や無意味に攻撃的な物言いはしなくて済むので注意が必要です。銀行怒らせても全く意味がないですからね。

住宅ローン金利交渉がうまくいった男性

 とにかく他の金融機関がどれくらいの金利を提示するかを確認し、保証料の返還等の条件もしっかり自分で計算して、借り換えのメリットがあるということを銀行にきちんと説明できれば、住宅ローン金利引き下げの交渉も非常に有利に進むことを覚えておいて下さい。


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