社会保険庁の分限免職

分限免職の取り消し

 社会保険庁から日本年金機構への移行の際に525人もの公務員が分限免職となり、そしてこれに関して分限免職された職員から人事院に審査請求がなされており、もしも人事院が分限免職を認めれば、公務員の身分保障の限界は大幅に下がるであろうことは説明しました。

 

 分限免職された職員525人中、人事院に対して審査請求したのが71名です。残りの454名は審査請求自体していないので分限免職は確定しています。

 

 問題は、審査請求をした職員たちに対して処分が違法であるとして処分を取り消すのか、それとも処分を合法とするのかということです。もしも、審査請求をした職員に対する処分が違法であるとならば、今までどおり公務員は守れていくことになるでしょう。しかし、処分が合法と判断されるならば、公務員の身分保障の限界はがくんと下がることになります。※数人の例外を除いてほとんどの人の分限免職処分は適法という判断がすでに確定しています(2018年現在)。

 

分限免職された社会保険庁の職員

 

 今はどんな状況かと言えば、71人中判断が出たのが20人。その内処分が合法とされたのが14人で違法とされたのが6人。この結果をどう見れば良いのでしょうか。

 

 まずは審査請求をしていない454人については、勤務成績が悪かったり過去に処分を受けたことがあるなどして、審査請求をしても処分を取り消されることはないと諦めたのでしょう。ということはつまり、勤務成績が悪かったり過去に処分を受けた人は組織の改廃があればいつ分限免職されても文句は言えないということになります。

 

 そして、処分が合法とされた人が14人。この人たちは勤務成績も悪くないという自負もあったのでしょう。でも、面接の結果が悪かったから免職は合法と。でも、面接の結果が悪かったなんて言われたらもうなんにも言えないじゃないですか。分限免職したかったら面接してあなた成績が悪かったですで終わりですよ。

 

 分限免職が違法とされた6人については、面接の結果も分限免職にならなかった人と同じなのに分限免職とされた等の理由。そりゃ違法ですよね。だって成績一緒なのになんで俺がってなるわけですから。これは処分する方のワキが甘いですよ。免職にしたかったら確実に面接の点数悪くしておかないと。下手ですよね。

 

 でも、これらの結果から判断すれば、やはり、公務員の分限免職はこれからどんどん増えていくことが想像できます。だって、組織の改廃があり、他省庁に受け入れをお願いしても他省庁に断られ(そりゃ成績悪い人引き取ってよって言っても他省庁だって断るでしょ。もちろん一定の人数は割り当てられるから仕方なく取るでしょうけど)、面接して結果が悪ければ(面接の結果なんていくらでも恣意的にできるじゃないですか)、分限免職してもOKなんですから。

 

 もしも、あなたが分限免職になったらどうしますか。人事院に審査請求しますか。審査請求をしなかった454人は全員単純に諦めただけなんでしょうか。もしかしたら、不動産投資などできちんと収入があったから敢えて厚労省になんて戻る気がないという人もいたのではないでしょうか。

 

 もしも、私が全く同じ立場だったとしたら絶対審査請求なんてしないですよ。面倒くさいですし、社会保険庁の分限免職の際は退職金の割り増しまでありましたからね。割り増しの退職金貰って、あとは不動産所得で生きていきます。

 

 公務員であっても不動産投資をして給料以外に給料以上の所得を作っておくのは絶対大切ですよ。いざ分限免職なんて話が出たとしても、焦って裁判をしたりする必要ないんですから。

 

 そうだなあ、分限免職って話が出ても、そこから数か月後に分限免職とかではなく1年後2年後に免職ですよね。私なら免職になる前に(つまり公務員でいる間に。そう、まだ与信が良い段階で)共済から限界まで貸付を受けて頭金にして物件買っちゃいますね。それで実際免職になった時点で割増しで貰える退職金で貸付を返済(共済の貸付は退職金を担保にしていますから)する形です。

 

 不動産投資である程度の収入が確保されていれば、免職の前にアパート一棟ぐらい買い増しておけば生活の心配なんてなくなるんじゃないでしょうか。今まで不動産投資をしたことがなく、免職の前にアパート一棟だけ買ったというような人でも、家賃からローンを引いたうえでプラスのキャッシュフローが15万でも20万でもあれば生活が全然楽になると思います。


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