不動産投資に一か八かはない

不動産投資は株式投資などと違う

 株式投資などキャピタルゲインを狙う投資と違い、インカムゲイン目的の不動産投資には一か八かの要素は基本的にはありません。

 

一か八かのサイコロ

 

 買った物件が5年後に値上がりするか値下がりするかなんてわかりませんし、そもそもそんなことを予想して物件を購入しているわけではありません

 

 もちろん、値下がりするとわかりきっている地域の物件は購入しませんよ。人口が少なくなっていくことが確実な不人気な地域は、値下がりもするでしょうし、当然賃貸需要だって先細りになるわけで、そんなところを買うことはありません。

 

 ただ、いくら人気があって将来的にも人口も減らず、賃貸需要も旺盛な都心部の物件でも、景気の上がり下がりによっては物件価格は上がったり下がったりします。なので特定の物件が5年後なり10年後なりに上がるか下がるかを予想することなんて(少なくとも私には)出来ないんです。

 

 そういう意味では、人口が少なくなっていく地域だからって景気が良くなれば値上がりする可能性もありますし、他にもニセコのように外国人がどんどん買って物件が暴騰することだってあります。

 

 要はわかんないんですよ。特定の物件が上がるか下がるかなんて。株と一緒です。もしも特定の株が上がるか下がるかがわかるなら100%の確率で儲かるわけですが、そんなことはインサイダー情報でも得られる立場(もちろんそれで取引をしたら違法です)でなければわかりませんからね。

 

 だから基本的には株式投資のようなキャピタルゲイン目的の投資は、一か八かの勝負をしているわけです。そうじゃないと言う人もいるかも知れませんが私にはそう思えますよ。

 

 だって、株式投資でこの株が1年後にいくらになってこれだけ収益を上げて、その利益であの会社の株を買ってそれがまた1年後にいくらになってこれだけ収益を上げて、そのお金でまた違う会社の株を買ってそれがいくらになって、といった感じで10年後まで計画立てられないじゃないですか。

 

収支の計画

 

 せいぜいが、最初に買う株の予想をするぐらいで(それもこの株がいくらになるという計算というよりも、「いくらまで上がったら利確する」ぐらいのレベルの予想でしょう)、7年後に特定の株が8年後にいくらになっているなんて予想は出来ないですよ。

 

 でもね、インカムゲイン目的の不動産投資は普通にそれが出来ちゃうんですよ。そして、それはほとんど計画通りに行きます。

 

 一部屋いくらで賃貸に出して空室率を20%で想定して、固定資産税が年間いくらで、修繕費を年間これだけ見ておいて、ローンが年額いくらで、10年後の収支はこうで、13年後には投下した資金は全て回収し終わり、あとはいくらで売ったとしても元は取れる、といった計算はほぼその通りになります。少なくとも私の場合は計画は結構厳しめに作るので(空室率を厳しく見たり、修繕費を多めに考えたり)、実際は計画以上の収支になります。もちろん、計画から大幅に儲かるということはないんですけどね。つまり、ほぼ計画通りです。

 

 こうした計画が立てられて予定通りになるところが私が不動産投資を好きな理由の一つでもあります。株式投資であれば、もしかしたら今年はマイナスになるかも知れないとかあるじゃないですか。でも、不動産投資でマイナスって基本的にはないんですよ(ちゃんとした計画を立てていれば)。

 

 新しく大きな物件を買った時は、諸費用や修繕費などでキャッシュフローがマイナスになることはあっても、負債も増えますが資産も必ず増えて貸借対照表は大きくなります。そしてそこからまた純資産が大きくなるスピードが増えていくわけです。

 

 最近は値段が高くて中々物件が買えません。でも、言い方を変えれば新しく物件を購入するという変動要素がないため、立てた収支の計画通りに進んでいるとも言えます。キャッシュフローは計画通りプラスになり、そして貸借対照表の大きさは変わりませんが、負債がどんどん減って純資産が増えていくというまさに計画通りです。

 

 不動産投資に一か八かはありません。なので、ある日いきなり相場が暴騰して億万長者になるといったこともありませんし、暴落して破産ということもありません。こうした投資スタイルが好きな人には不動産投資は向いていると言えるでしょう。


不動産投資に一か八かはない関連ページ

ルームシェア(シェアハウス)について
最近流行っているルームシェア(シェアハウス)の様々な問題点についての説明
一括借り上げのシステムとは
大手ハウスメーカーなどがやっている一括借り上げのシステムについての説明
団体信用生命保険
住宅ローンを組む際に強制的に入らされる団体信用生命保険についての説明。この保険により、今まで入っていた保険の見直しをした方が良くなります。
収益還元法
聞きなれないが不動産投資をやる上でしっかりと理解していなければならない収益還元法についての説明
不動産投資の利回りの目安
収益物件に関してのおおよその利回りの目安の考察
表面利回りと実質利回り
利回りにも表面利回りと実質利回りがあり、区分所有のマンションなどは表面利回りと実質利回りとの間に大きな乖離がある場合があるので注意が必要です。
複利を生かして資産を築き上げる
複利が強いとは聞いたことがあるでしょうが、実際にそれを不動産に応用した時にどれほど有利かということについての説明
複利を生かして資産を築き上げる2
不動産投資において、複利で資産を築き上げることの容易さと将来的な資産形成の有利さの説明
ネットで募集するリスク
最近流行っている、ネットで入居者を募集することのリスクについての説明
雑草
抜いても抜いても生えてくる雑草。自宅なら気になった際にすぐに抜くこともできますが、アパートの雑草の対応は非常に大変です。
生活保護の入居者
生活保護を受給している入居希望者との契約は一般の入居希望者と比べても不利とは言えない
生活保護の入居者2
生活保護を受給している入居者にリスクはあるものの、それは許容範囲内であるという考え方
生活保護の入居者(続編)
生活保護受給者に絶対滞納をさせない方法について
生活保護の入居者が亡くなった
私のアパートで生活保護を受給している入居者がいましたが、先日お亡くなりになりました。退去の立会いは区役所の担当者と行いました。特に問題は発生せず、敷金も返還を迫られることもなく、スムーズに処理を終えることが出来きて一安心です。
フリーレント
空室の期間が長くなった時にフリーレントで募集してもあまり効果はないと体感しています
5年ルールと1.25倍ルール
金利が変動しても5年間は返済額が変わらず、5年後以降も1.25倍までしか支払額が増えない仕組み。
ペットについて
アパートの入居者に無断でペットを飼われてしまうということはよくあることです。
いっそペット可という手も
空室が埋まらないならペット可にして募集するという手もある。
地震保険
東京で地震保険に入っても意味がない可能性があります。首都直下型地震起きたら、保険会社は保険金を支払いきれないでしょう。
内見から決済までの流れ
実際に不動産を購入するまでの流れについて説明します。サラリーマンは中々平日仕事が休めませんが、どうしても平日昼間にやらなくてはいけないこともあります。
不動産投資の観点から見たルームシェアの現在
ルームシェアは個人の不動産投資家から業者の時代となりました。今から不動産投資としてルームシェアを考えるのはやめた方が良いでしょう。
不動産投資と空室
不動産投資をしていて一番の問題は空室です。全国的に人口が減る中で今よりもさらに空室率が高くなることが予想され、これから不動産投資を始めるのをためらう人もいると思いますが、不動産投資はやめた方が良いとは私は思いません。
団体信用生命保険とアパートローン
アパートローンを組む際に入る団体信用生命保険で、知人が緑内障を理由に加入を断られました。団体信用生命保険について考えてみたいと思います。
相続と不動産投資
相続対策の王道は不動産投資と言っても過言ではないでしょう。では、なぜ不動産投資は相続税の圧縮に対して有効なのかと言えば、実勢価格と評価額の差、それに金融機関からの借入金は100%の評価であることを利用しているからです。
不動産投資でキャッシュフローはもちろん大前提なのですが
不動産投資の目的としてもちろんキャッシュフローが大前提なのは当然ですが、ローンの支払の他に空室率やリフォーム代、税金などを考えると僅かな利益しか出なかったとしても、年とともに純資産はどんどん増えていき、負債はどんどん減っていくのです。
不動産投資のためにお金を貯めよう
不動産投資は自己資金がゼロでも行うことが可能なこともありますが、お金があった方が取引が有利になったり、そもそも自己資金がなければ購入できないものの方が圧倒的に多いのです。これから不動産投資を始めようと思っている人はとにかくお金を貯めましょう。
インカムゲイン目的の不動産投資は持ち続けることが重要
インカムゲイン目的の不動産投資のリスクは持ち続けることできれば減少していくものです。家賃が購入価格をどんどん補填していき、最終的にはリスクゼロ(購入価格分の金額を家賃収入で得てしまう)まで到達します。

不動産投資を始める前に サラリーマンの不動産投資 公務員の不動産投資 頭金なしで物件を買う 不動産についてのあれこれ