団体信用生命保険とアパートローン

緑内障で団体信用生命保険の加入を断られた

 先日、私の知人が投資用物件の購入のため、城〇信用金庫にアパートローンを申し込みました。で、その際に団体信用生命保険の加入を見事に断られたのですが、その理由が緑内障。

 

 緑内障だと団体信用生命保険に入れないんですね。私も知りませんでした。

 

緑内障で団体信用生命保険を断られた人

 

 団信に入れずその金融機関でアパートローンが組めなかったので、団体信用生命保険加入が必須でないアパートローンを取り扱っている金融機関に再度申し込まないといけなくなったわけですが、ちょっと不動産投資と団体信用生命保険の関係について説明したいと思います。

 

 団体信用生命保険は、生命保険として考えるとかなり掛け金がお得な生命保険です。なので、物件をローンで購入し、団信に加入したならば、今まで加入していた生命保険は見直しまたは保険をやめるということも可能です。

 

 例えば死亡保障4000万円の生命保険に加入していて、新たに団信で1億円も入ったら、今までの生命保険に入っている意味ないですよね。とりあえず葬式などで現金が必要であれば数百万ぐらいの生命保険に入っておけば良い話です。なので月々の生命保険代が相当安くなります。

 

 しかも、団信の費用は金利に上乗せという形なので、経費として処理することが可能です。つまり節税にもなるということですね。

 

団体信用生命保険の保険証券

 

 なので、団信は不動産投資家にとって入っておくとかなりお得なものなのですが、全ての不動産投資家にとってお得かと言えば、そういうわけでもありません。

 

 まず、今回緑内障で団信の加入を断られた知人は独身で子供はいません。結婚するつもりも子供を作るつもりも一切ないそうです。つまり死亡した際に借金が残っていて迷惑を掛ける家族は誰一人いないわけです。

 

 そうなると、誰のために団体信用生命保険に加入するのかということになります。もちろん、銀行のためだという意見があるでしょう。それはそのとおりなのですが、アパートローンを組む際に団信への加入が必須でないアパートローンを取り扱っている金融機関もあるわけです。そうした金融機関を利用するならば、相続させるべき家族がいない不動産投資家にとっては団信に加入するメリットは一つもありませんから(金利が高くなるだけです)、団信には入らない方が良いでしょう。

 

 他にも団体信用生命保険に入ってはいけないパターンとしては上のパターンとは全く逆で相続する家族がおり、相続対策のためにアパートローンを組むという人です。この場合、不動産投資家というよりはほとんどが地主ですね。

 

 相続対策のために借金をするわけですから、死亡時に団信から金融機関に支払いが行われて借金がなくなった状態で相続するのでは、相続対策に全くならないわけです。

 

相続対策にならないことを知って驚く被相続人

 

 借金があること、相続する不動産の評価額と実勢価格に差があることを利用して(あとは土地の上に建物を建てることによって評価額をさらに下げる)、相続税を節税しようとしているのに、金融機関からの借り入れがなくなってしまっては本末転倒です。

 

 ここでのポイントは、被保険者(この人が死んだら保険金が支払われる)が投資家で、保険料の負担者が金融機関、保険金の受取人も金融機関ということです。

 

 もしも、被保険者が投資家で、保険料の負担者が被相続人、保険料の受取人の被相続人であれば、全く問題はありません。

 

 金融機関の残債と一緒に当該不動産を相続するわけですから、相続税の節税に劇的な効果があるでしょう。そして受け取った保険金の総額から既に払い込んだ保険料又は掛金の額を差し引き、一時所得の特別控除額50万円を差し引いた金額を更に1/2にした金額が課税の対象ですから受けとった保険金に対する所得税額は非常に低くなります。

 

 しかし実際には金融機関が保険金を受け取り、残債がなくなった状態で相続するわけですからこういった相続対策の地主さんたちは団信に入ってはいけないわけです。そもそも団信に入らなくても土地自体が担保になっているから金融機関も相続対策でアパートローンを組む地主に団信加入は求めないでしょうが(笑)

 

 


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