一括借り上げは本当に安心なのか
大手のハウスメーカーなどでは例えば10年間一括借り上げとか30年間一括借り上げというシステムがあります(会社によって期間や条件に差はあります)。
これは、ハウスメーカーやマンション販売会社が所定の期間、アパートやマンションが空室になっても家賃は保証しますし、リフォームなどの原状回復の段取りもやります、滞納があっても家賃はうちが払いますし、クレームは全てうちが管理するので大家さんは黙って通帳にお金が振り込まれるのを眺めているだけで良いので、うちにアパートを作らせてください(うちのマンションを買ってください)というセールスの仕組みです。
大家にとって凄く良い仕組みに思えますが、これは結構落とし穴があるんですね。
まず、保証期間については30年間確かに保証してくれるのですが、家賃の改定というのが数年に1度あるんですね。たとえば家賃が月に50万入ってきますと。ローンは30万ですので、大家さんは空室になろうが滞納されようがとにかく月に20万円は入ってくるんですよと。でも、その家賃設定で大丈夫なのでしょうか。例えば家賃相場が5万円の部屋を6万5千円と設定していたりします。最初の3年間とかは空室になったとしても月々大家には毎月家賃が振り込まれるので大家は万々歳です。
しかし、3年後に家賃の改定があり「この家賃ではもう貸せないので月々5万円にしてください。」と突然言われるわけです。大家はふざけるなですよね。しかし、「ご納得いただけないのであれば、更新しなくても結構ですが。」とくるわけですよ。
そうなると大家は泣く泣く家賃の下げに応じるか、それとも契約を更新しないかの選択をしなくてはなりません。この件に関しては裁判にもなってますので知ってる方もいるかも知れません。
しかし、ハウスメーカーは工務店などに比べると非常に高い建築費を取っているので、提示される額では全然回らなかったりするんです。つまり、契約を更新しても地獄ですし、更新しなくても家賃は相場ぐらいまでは絶対下げざるを得ないので、どちらにしても駄目なわけです。
まれに都内の一等地なんかでは本当に最初の家賃保証のまま10年も20年も経過することもありますが、そんな立地であれば初めから家賃保証なんてしなくても簡単に満室にできるわけで、やっぱり意味がないわけです(この場合は意味がないだけなので地獄を見るわけではありません)。
さらに言えば、このようなシステムがうまくいくと仮定しても、今の時代大きな会社であっても30年後まで会社があるかどうかわからないですよね。そうなるとやっぱり30年保証なんてあまり信用できないと思えませんか?
このサイトは、そういったことも含めてしっかりと不動産投資について勉強し、その上で投資をしてもらうことを目的としています。
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