敷金ゼロ、礼金ゼロ、割安家賃そして謝礼
不動産投資をやっていて突発的なトラブル以外で最もストレスになるというか、私が嫌いなものは空室です。自分の持っている物件に空室があるというだけで、「早く埋めないと」という焦りが心の中に湧き出てきて嫌な感じになるのです。
実際は常に空室は発生しているんですよ。私が持っている物件はワンルームが多いですし、満室にしたとしても数か月に一度は発生する空室をもぐら叩きのように埋めていく作業です。
ただし、基本的にはいつもだいたい満室と言えるような状態とは言えます。空室発生からリフォーム・募集・入居申し込みまで、どれだけリフォームをかけるかで変わりますが早ければ1週間、遅くとも2か月ぐらいで(時期によっても変わります)大概なんとかしています。
2月とか3月でなければ同時期に埋まらない空室が多く存在しているということはまずありません(2〜3月はボコボコ退去していきますが、すぐにボコボコ入居してくれます)。
さて、そんな空室嫌いな私ですが、私の空室対策は今まで何度も説明しているとおり、部屋自体に清潔感を持たせるなどのことはもちろんですが、基本的には相場よりも割安な家賃にし、敷金礼金は取らず、専任ではなく一般で多くの業者に募集を依頼して謝礼を約束するという三つです。
これをすれば満室にするのを早めるために抜群の効果があるのは間違いありません。
しかし、これにはデメリットもありまして...
属性の低い入居者が集まりやすいんですよ。安いんですからお金に余裕がない人が集まって来るんです。そして不動産屋の営業も謝礼が貰えるものですからなんとかして私の部屋にお客を付けたいため、多少属性が低そうでも私の部屋で決めちゃおうとするわけです。
ポリティカルコレクトネスを考えると、貧乏人は清貧で、金持ちはがめつくて悪いやつと言わなければならないかも知れませんが、実際に客商売をしていればまるっきり逆だということはわかりますよね。
経済的に余裕がある人はモラルも高くて良い人が多い傾向があり、クレームも少なく、ましてや家賃の滞納なんかはありえません。
しかし、経済的に余裕ない層はモラルも低い傾向があり、クレームは多く、もちろん家賃の滞納も頻発します。
廊下にゴミや荷物を置いたり、ベランダやアパートの前でタバコを吸う、大きな音楽をかけて、でも隣の部屋の音には文句を言い、いつの間にか契約者以外の人間(彼氏や彼女であることが多い)が住み着いていたり、退去の際には部屋はボコボコとか、もうトラブルのオンパレード(笑)
だから難しいんですよ。敷金・礼金ゼロにして家賃も割安にするとこういう属性の低い入居者たちが集まって来ちゃいますから。
空室は埋めたい、でも不良入居者は入れたくない。
はい、これ無理です。私のような築古のアパートなどを所有している大家には無理な相談です。
なので、もうこれは割り切るしかありません。私がどのような対策をしているかと言うと、まず家賃保証会社必須にします。
一番最初の段階で家賃保証会社にスクリーニングしてもらうのです。あまりにも属性が悪かったり、過去にその会社を利用して滞納などのトラブルを起こしていたりすると家賃保証会社が契約を拒否してくれるので、そこでふるいにかけます。家賃保証会社が通らないような人は絶対に入居させません。
この家賃保証会社を通すことで家賃の滞納問題はクリアです。さらに部屋を滅茶苦茶にされても原状回復費用(これは保証会社によって違います)も保証会社が面倒を見てくれます。
他の問題行動はその都度注意していくしかないです。ゴミは廊下に出さないで下さいとか、音楽は大きな音はやめて下さいとか。
面倒臭がらずにしつこく言っていれば大抵やらなくなります。それでも治らない人は、契約している司法書士に状況を説明して、その入居者の迷惑行為によって他の入居者が退去した場合は損害賠償請求する旨内容証明を送ってもらいます。これで普通は大人しくなります。
都会の駅近にある広くて魅力的な部屋を高い家賃を払ってでも借りたいという層と、郊外の駅から離れた狭い部屋を割安に住もうという層では属性が全然違うということもきちんと理解したうえで、満室にするために取らなくてはいけないリスクは取っていくしかないですね。
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