年末に入居を希望する人
不動産投資をしていて一番の悩みは空室です。大家はとにかく空室を埋めて満室にしたいですし、満室にするのが使命と言っても良いでしょう。
そして大家の私が唯一空室を埋めるのを諦めるのが12月です。
心情的にはとにかく年内に満室にして、晴れ晴れとした気分でお正月を迎えたいですよね。それなのに12月の入居を諦めるというのはどういうことでしょうか。
私も大家業を始めた当初は12月でも入居者を受け入れてました。そもそも年末に入居したいという人は少ないので、12月に入居申し込みを初めて貰えた時には飛び上がって喜んだものです。
それから20年近く経ち、今では12月の入居者は一切受け入れてません。もちろん、12月でも募集自体はしていますよ。12月申し込みの1月入居や2月入居希望というのはありますから。ただし、12月に申し込みの12月に入居というのは受け付けてません。
私の経験上、12月に入居を希望する人はトラブルを起こす恐れが高いんです。全員トラブルを起こすわけじゃないんですよ。中には良い入居者さんだってもちろんいます。確率の問題ですね。外国人入居者と同じで、すごく良い外国人の入居者さんもいますが、悪気がなくとも風俗習慣などの違いによりトラブルを起こす確率が日本人入居者と比べて多いのは事実です。それと同じですね。
では、なぜ12月に入居を希望する入居者にトラブルが多いのか。これは日本の文化というか風俗習慣も関係していると思うんですよね。完全に私の想像なんですけど。
普通の人で師走に引っ越そうという人っていないと思いませんか。12月はとにかく忙しく、仕事だって年内に区切りをつけて終わらせたいとか、それこそ忘年会は週に何度も、年賀状書きやお歳暮にクリスマス、正月を迎えるのにおせちの準備をして、大掃除もやらなくては...大晦日に向けて年越しそばを用意して家族で過ごしてやっとお正月みたいな。
物理的に忙しいだけじゃなく、心情的にも焦って何か新しくことを始めるという気分にはならないですよね。普通は正月を迎えて、さあ新しい一年が始まり、動き始めようかといことになります。
なので、不動産賃貸業は年が明けて新年会も終わる頃になると忙しくなり始め、2月・3月の入居のピークに向かって動き始めるのです。
それがなぜ慌ただしく12月に賃貸物件を探し始め、その月の内に入居しなくてはならないのか。何かしらの理由があるのだと思います。例えば、家賃を滞納して退去しなくてはならなくなり、急いで次の部屋を探しているとか、現在住んでいるところでトラブルを起こしてすぐに出ていかなくてはならないとか。
あまりないとは思いますが、年末に転勤ということもあるかも知れません。それでも引っ越しを伴うような転勤では一か月以上前に内示されるのが普通です。つまり、10月とか11月に新しい入居先を探し始めるわけです。
なので、12月に引っ越すのに12月に入居先を探し始めることは普通はないと言って良いと思います。サラリーマン的な話をすると、年末調整まで会社が終わらせているのに、よほどの理由がない限り12月に急に転勤させることはないと思います。給与所得の源泉徴収票どこの税務署に提出するんだよって話になりますし。もちろん、前から12月に転勤が決まっていれば当然会計上の処理も調整しておくでしょうが、12月に入ってから決まるのでは処理した後ですから、中々そういう事はないでしょう(会社の業務の都合もあるでしょうからゼロではないでしょうが)。
つまり、内示もなく12月に入ってからいきなり12月中の転勤を命じられることって日本の会社ではそうはないわけです。そうであれば、やはり12月に年内の入居を希望するということが一般的ではないのは理解できるでしょう。
私の経験では、年末に入居した人は、滞納や騒音トラブルの確率が高かったです。初めは気が付かなかったのですが、年末入居の人にそうしたトラブルが多いことに気が付いてからは12月入居は断ることにしました。あくまで私の経験ですから、他の大家さんでは12月入居の人たちはみんなトラブルがなくて優良入居者さんですよことだってあり得ますが、私の所有している物件ではそうでした。
12月の入居申し込みを受ける場合は、入居希望者の属性や引っ越しの理由を普段以上にしっかり見ておくのが良いと思います。
これらのことに統計的なデータはないので、これが絶対正しいという気は全くありませんが、私の不動産投資の経験則です。
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