居住者以外の者も住み始めたら

退去させるかそのまま住んでもらうか

 契約時に記載された居住者以外の者も住み始めるということはよくあることです。夫婦に子供が生まれたとか、母親の体調が優れず息子と同居し始めるとかですね。そういうことに対して契約と違うと怒る大家はまずいないと思いますし、社会通念上それを理由に契約の解除は許されないと思います。

 

 しかし、ワンルームの部屋を学生に貸したらその友達も一緒に住み始めてしまったという場合はどうでしょう。友達じゃなくて彼氏でも彼女でも同じことですが、これは非常に難しいところだと思います。二人入居可と謳っていないワンルームに(ワンルームはそもそも1人で住むことを前提にした間取りであることは周知の事実です)、契約時には1人で住むと偽って実際には二人で住んでしまうというのは、大家と入居者との間の信頼関係を破壊していると言えなくもありません。

 

ワンルームに住みだしたカップル

 

 契約の解除は可能であると私は思いますが、何が難しいかと言えば、たまたま泊まりに来ていただけで(一時的な宿泊)、常態的に居住しているわけではないと主張された場合には反論するのは至難の業です。アパートの前で何日間も見張ったりすれば別ですが、普通そんなことできません。私の場合実害がなければそのまま放っておきます。ただし、隣の部屋や下の部屋の住人から複数人が住んでいることによりうるさいと苦情があれば別です。

 

 以前にあったケースでは、元々まわりからステレオの音がうるさいと苦情のあった部屋で(まわりの部屋だけでなく隣の家からもうるさいと苦情があるほどで注意はしていました)、彼女との夜の音がひどいので退去するとのクレームが入ったことから、その入居者に「以前から注意しているが騒音が止まない、1人で入居と契約しているのに常態的に女性が泊まっている、まわりが騒音に耐えかねて退去すると言っている」以上の理由から退去を求め、もし退去しないで他の部屋の住民が騒音を理由に退去した場合はその件に関して損害賠償請求をする旨司法書士通じて告知し、退去させたことがあります。

 

 これなどは居住者以外の者が部屋に住んでいるという契約違反と騒音との合わせ技一本といったところでしょうか。他の入居者からも女性がずっと一緒に住んでいるとの言質が取れてましたしね。

 

 ただ、問題を起こしていないのであれば、基本的には私はずっと住んでもらってます。退去させる必要がありませんからね。


居住者以外の者も住み始めたら関連ページ

家賃の前払い
月末に翌月分の家賃を払うのが普通ですよね。
入居を拒否することができるのか
大家は入居者を選んでもよいのでしょうか。
身元のチェック
入居希望者に対して、戸籍抄本や住民票などの書類を提出を強制してよいのか
保証人と連帯保証人
よく耳にする保証人と連帯保証人。その違いについての説明です。
滞納家賃にも税金はかかる
滞納された家賃でも賃貸料として計上して税金を払わなくてはいけません。
定期借家契約
従来の普通借家契約ではない定期借家契約について
共有部分に荷物
アパートの廊下や階段などに荷物を置きっぱなしにしている入居者がよくいます。
家賃に消費税
家賃に消費税を上乗せして請求することもあります。
不動産屋に行くタイミング
空室の募集をお願いしに不動産屋に行くのに適している曜日や時間帯はいつなのか。
問い合わせの多い募集条件
敷金ゼロ礼金ゼロのいわゆるゼロゼロ物件の問い合わせは非常に多い。
問い合わせの多い設備条件
やはりトイレバス別の問い合わせが一番多いのは仕方ないところでしょう。
前面道路の幅
指定容積率も前面道路幅員により低減してしまうこともあります。不動産投資の観点からすれば一概に道路の幅が狭いからダメとは言えませんが。
家賃明細をウェブで
管理会社に管理を委託すると、毎月明細を送ってきますが、それをウェブで閲覧するようにすれば便利なだけでなく、1通に付き80円を大家に還元してくれるサービス。
契約更新時の連帯保証人
契約更新時に連帯保証人の署名捺印がなくとも、最初に契約を交わした時点で連帯保証人なっていればその責任を負うことになります。
不動産屋との信頼関係
不動産投資をする上で不動産屋との付き合いは必須です。その不動産屋と信頼関係が築けなければ不動産投資はうまくいきません。
交渉してくる入居希望者
賃貸の募集をしていて、色々な交渉をしてくる入居希望者がいますが、私はそうした入居者は企保的には全て入居を断っています。
12月の入居者
私は年末に無理して空室を埋めることはありません。なぜなら12月に入居した人たちにはトラブルが多かったという経験があるからです。
敷金と礼金ゼロにすると
敷金と礼金をゼロにすれば業者の客付けも楽になり、他の物件よりも空室を埋めるうえで有利にはなりますが、入居者の属性が悪くなる傾向があります。
戸建ての不動産投資
アパートやマンションの一室を貸すよりも戸建てを貸す方が楽なことは結構あるものです。
部屋ごとの家賃設定
同じアパートで部屋によって家賃の設定は違います。間取りなどが違えば当然家賃の設定は変わりますが、同じ間取りにもかかわらず募集の時期によって家賃が変わってしまうことはよくあり、入居者同士の不公平感につながるのではという懸念はあります。
相続についての私の考え方
私は自分が所有している物件を妻には相続させたいと思っていますが、子どもには全く残そうとは思っていません。その代わり、知識だけは惜しみなく与えようと考えています。
不動産投資と便所掃除
成功している人は必ず自分で便所掃除をしているということをよく聞きますが、不動産投資をしている私もそれにならって毎日自分で便所掃除をしています。

不動産投資を始める前に サラリーマンの不動産投資 公務員の不動産投資 頭金なしで物件を買う 不動産についてのあれこれ