賃貸併用住宅のトラブル

賃貸併用住宅最大のトラブル

 賃貸併用住宅で最も多いトラブルは騒音の問題でしょう。そして賃貸併用住宅の騒音トラブルを防ぐ方法はいくつかあります。

 

 まず最もシンプルで最も効果的、そしてコストもかからない方法はアパート部分を2階にすることです。

 

 賃貸併用住宅における騒音トラブルは2つあり、一つは大家が出す音に対する入居者のクレーム、もう一つは入居者が出す音に対する大家の苦情です。では、この2つの音の種類を考えてみましょう。

 

賃貸併用住宅の騒音問題

 

 賃貸併用住宅を建てる人はどのような人で、借りる人はどのような人でしょうか。賃貸併用住宅を建てる人は基本的には独身の人はあまりいません。通常は家族でしょう。しかも、余生があまり長くない老夫婦が賃貸経営を始めることは少ないので、若い夫婦が多いと思います。もちろん、相続を見越して将来的に息子家族が住むために建てるということもありますが、最終的には比較的若い世代の家族が住むことが多く、小さな子供もいることが多いわけですね。

 

 子供がバタバタと階上を走り回る音が大きな問題となるわけで、これを解消するためにはシンプルに自分たちが1階に住めばいいわけです。簡単ですよね。騒音トラブルの問題だけでなく、賃貸併用住宅で自分たちが居住する部分を1階にする理由はすでに「賃貸併用住宅の2階はアパートに」で詳しく説明してあるので読んでみて下さい。

 

 では、入居者が出す騒音はどのようなものでしょうか。賃貸併用住宅を利回りで考えると、アパート部分を75平米のファミリータイプ1部屋にするよりも25平米のワンルーム3部屋にした方が確実に良いため、多くの賃貸併用住宅ではアパート部分は1Rもしくは1Kという間取りです。1Rや1Kに入居する人たちは当たり前ですがほぼ単身者となり、単身者の出す音の問題としては、夜遅い時間のシャワーやトイレなどです。バタバタと走り回るような騒音というのはあまりありません。もちろん、若者ですから音楽等の問題もあるので、契約書に音楽等を大音量でかけないなどの条項は入れておくのは忘れてはいけません(不動産屋が用意する契約書には普通は入っているのであまり意識はしなくても大丈夫ですが)。

 

 単純に、賃貸併用住宅は大家が我慢すればトラブルを避けられるという論法もありますが(そして実際それができるならトラブルにはならないのですが)、出来れば夜中の排水音等は静かな方が良いに決まってます。

 

 排水管の防音工事は後からやると結構な費用がかかります。しかし、最初から防音排水管を使用していれば非常に安価に、そして効果的に排水音の問題は解決できます。賃貸併用住宅を建てる前に、まず「排水管 防音」等で検索してみてください。色々な防音排水管があるので自分で好みのものを選び、施工会社に対してこの排水管を使用してくださいと伝えれば良いわけです。そんなに費用がかかるわけではないので、特に余計な費用も発生しないか、もしくは僅かな金額がアップするぐらいでしょう。もちろん、初めから施工会社が防音排水管を使用していることも多いです。

 

 さらにフローリングの下に敷く遮音マットなどでも劇的に音をカットすることもできます。これなどもあまり費用がかからないので、施工会社にお願いした方が良いでしょう。特定のメーカーの製品を推奨するわけではないですが、このメーカーの製品「防音排水管」「遮音マット」などは良いとは思います。

 

 もちろん、そもそも木造や鉄骨ではなく鉄筋コンクリートで賃貸併用住宅を建てれば全ての音のトラブルに関する根本的な解決になるのですが、あまりにも利回りが低くなりすぎて(建築代金が高くなりすぎるので)、2階建ての賃貸併用住宅を鉄筋コンクリートで作る人はいないでしょう。

 

 結論としては、賃貸併用住宅で騒音トラブルを避けるためには、1階部分を自宅とすること、利回りを圧迫しない程度の安価でできる防音は可能な限りやっておきましょう。


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