賃貸併用住宅の利回り

どのくらいの利回りを目安にすれば良いのか

 賃貸併用住宅を建てるにあたり、どのくらいの利回りを目安にすればよいのでしょうか。住宅を建てる場所によって全く変わってきてしまう(東京の一等地で建てるのと地方都市を同じ土俵では比べられませんよね)ので、いつものことながら私が主に投資している東京の郊外周辺で考えてみたいと思います。

 

 東京の郊外と言っても、吉祥寺もあれば奥多摩に近いようなところもあるわけですが、まあ北多摩とか南多摩のあたりだと思ってください。

 

 土地を持っていない前提でお話しします。地べたから収益物件を購入する場合、中古のアパートなら10パーセント以上、新築ならば8パーセント以上ぐらいを私は目安にしています。もちろん、立地や建物によって変わりますがざっくりとこれぐらいのイメージです。

 

 さて、賃貸併用住宅です。賃貸併用住宅の場合、下半分を自分が住んでしまうので(上半分に住んではいけない理由はまた説明します)、単純に利回りは半分になってしまいます。

 

 利回りが半分と考えるならば新築で賃貸併用住宅を購入する場合は利回りで4パーセント、中古で購入する場合で5〜6パーセントぐらいと考えれば良いのでしょうか。

 

 都心の一等地じゃあるまいし利回り4パーセントだの5〜6パーセントじゃ投資にならないという人もいると思います。しかし、賃貸併用住宅ではこのぐらいを目安にすれば私は合格だと思います。

 

賃貸併用住宅の利回りの計算

 

 実際の数字で考えてみましょう。土地代+建築費で5000万円かかるとすると利回り4パーセントとして月に16万ちょっとの家賃収入ということになります。2階にアパートが3部屋あればこの数字は十分達成できるでしょう。現在はフラット35でも金利が2パーセント割っていますし、変動であれば0.8パーセント以下のものもあるので、月々の家賃収入が16万円あればローンの返済はできることになります。そうなると新築で家を建ててローンは全て家賃で払えてしまい、自分はローンを払ったつもりで繰り上げ返済していけば20年とかからずに完済ということが可能になるわけです。

 

 普通の不動産投資では、利回り4パーセントでは絶対ローンを払えません。そもそもが木造でアパートを建てる場合35年もローンを組ませてもらえないですし(法定耐用年数の22年で組まされることが多いです)、金利も住宅ローンよりも高いので、支払いは25万程度になります。これでは投資にならないのは当たり前です。賃貸併用住宅が住宅ローンで組めるため利回り4パーセントでも成立するわけです。

 

 中古の物件についてはどうでしょうか。私自身中古の賃貸併用住宅を購入して住んでいたこともありました。3800万円をフルローンで購入した物件ですが、アパート部分には小さな部屋が4つありそれぞれ4万円前後、計16万円の家賃収入で利回りは大体5パーセントちょっとです。ローンは11万円程度でしたので、中古で自宅を買ったらローンはただでお小遣いが5万円貰えた計算です。

 

 ちなみにその物件に自分が住まなくなって自宅部分を賃貸に出して10万円の家賃を貰うようになったので(銀行には正直に話をして許可をもらいました。しかし、これは中々難しいことですので誰もが銀行を納得させられるわけではありません)、ローンは11万で家賃収入は26万となり月々15万円のキャッシュフローがその物件からは上がってきます。

 

 賃貸併用住宅の利回りが低くても回ってしまう理由は、住宅ローンを利用できることで返済期間を長くできること、金利が低いことがあげられます。

 

 結論としては、賃貸併用住宅は新築で4パーセント、中古で5〜6パーセントを目安にすれば大きな失敗はないと思います。

 

 もちろん、土地を持っていて建物を建てるだけであれば、4パーセントの利回りでは全然足りませんからね。あくまで土地を持っておらず、ゼロから賃貸併用住宅を始める際の利回りであることに注意してください。


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