不動産の流動性
不動産の流動性は非常に低いです。
不動産を買う際には、通常であれば物件を見に行くところからスタートです。不動産屋に行き、物件に案内してもらい、そしてその物件が気に入ったとします。
まずは、買い付け申込書を書くことから始まります。大概は買い付けを入れる前に、案内してくれた不動産屋が物件を持っている不動産屋に前もって電話でいくらぐらいなら指値を受けてくれるかというような話は聞いてくれるのですが、そういう話はまた別の機会にお話しするとして、とにかく買い付け申し込み書をその日の内にファックスしたとします。
次の日に売主がこちらの買い付け条件を了承したという連絡が入るとします。
そこで初めて売買契約の日取りを決めます。売主の都合もあることですから、通常は数日から数週間の間で都合の良い日を選びます。
契約が無事終了すると、今度は銀行の借り入れの審査です。居住用の住宅ローンなどでは数日で答えが出るのですが、収益用物件についてはこちらが確定申告の写しやレントロールなどの書類全て揃えてあっても普通は一週間程度は審査にかかると思います。
もちろん、ローンを組まずに現金で物件を買うならば、銀行の審査は必要ないので大幅に時間と手間は短縮できます。
銀行の審査が通ったら、銀行との金銭消費貸借契約です。
その後、司法書士と売主と買主とそれぞれの不動産屋が銀行に集まっていよいよ決済です。お金の授受が終わるとそのまま司法書士が書類を全て持って法務局に行って手続きをします。
数週間後、司法書士から自宅に名義の変更が済んだ物件の権利書が送られてきて終了です。数日で現金化できる株と比較すると不動産は現金化するのにとても時間がかかります。
また、売却する際も同じように時間がかかるものです。もちろん、相場よりも大幅に安い値付けにすれば購入希望者はすぐに見つかると思いますが、相場よりも安くする分金銭的には損ですし、仮に見つかったとしても現金化できるのは早くても数週間から一ヶ月はかかってしまうでしょう。
さらに、売買手数料も物件価格の3パーセントかかりますし、その他に不動産取得税や司法書士報酬など発生することから、売買に関する費用も非常に高額となります。
売買に時間も手間も費用もかかる不動産は流動性という意味で比較すると株よりも圧倒的に不利です。
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