不動産の相続
被相続人が複数いる場合、不動産は分割することが難しいことから株のように容易に相続することはできません。
例えば被相続人が3人居た場合、不動産を売って現金化して均等に分ければ問題は起きないのですが、そうなると相続する不動産は手放さなくてはなりません。
相続する不動産が駐車場などとして運用している土地だけであれば、その土地を分筆して3つに分けるということもできますが、不動産投資の場合多くはアパートやマンションであって3つに分けることができないわけです。
そうなると、せっかく築き上げた不動産という資産をそのまま相続するということはできなくなってしまうわけですね。
しかし、相続税の観点からすると不動産は非常に有利な資産です。
不動産の相続税については他のページで詳しく説明しますが、株と違い不動産の評価額は時価でありません。都市部においては実勢価格からはかなり低い評価額(路線価)となることが多いです。
それだけでも株と比べて有利なのですが、さらに土地の上にアパートが建っているとその土地の評価がさらに2割下がります。そして建物の評価については5割です。
建物の評価額が5割ということは、銀行から1億円借り入れて1億円の建物を建てた場合、その建物を相続するとマイナス5000万相続することになり、建物の建っている土地が実勢価格1億円だとしても、(被相続人がたとえ一人であったとしても)相続税は支払わなくても良い計算になります。
つまり、
実勢価格1億円の土地の評価額8000万+建物の評価額5000万−銀行からの融資1億円=3000万円
3000万円の相続となり、基礎控除の範囲内なので相続税はかかりません。
アパートの建っている土地が200平米以下であればさらに50パーセントも減免される特例もあります。
不動産の相続の際の煩雑さと相続の際の節税効果、どちらに重きをおくかは個人によって違うので、株と不動産の比較の上ではどちらが良いということは言えません。
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