不動産投資の失敗の確率

不動産投資はなぜ怖いイメージがあるのか

 家賃収入目的の不動産投資で失敗する確率というのは案外低いものです。結構みんな誤解しているのですが、ビジネスや他の投資と比べれば失敗する確率は格段に低いのではないでしょうか。

 

 このサイトの他の記事でも触れていますが、新しく起業したビジネスが5年後まで残っている確率は10%、その残った10%がその5年後まで残っている確率は10%、つまり起業から10年経過して残っていられる確率はわずか1%程度だとはよく言われていることです。

 

 このデータが正確なものかはわかりませんが、体感的には納得できる数字です。飲食店なんか数年で廃業していくお店が多いですよね。逆に10年とか続いた飲食店は潰れずにずっとそのままやり続けられるイメージでしょうか。

 

 

 実際にデータを取ったわけではありませんが、不動産投資で失敗した人って結構少ないと思うんですよ。バブルの頃のような利回りを全く無視したキャピタルゲイン目的の不動産投資は凄い数の人が失敗しましたが、今はインカムゲイン目的の不動産投資が多いですし、ド派手に飛んじゃう人ってあまりいないです。

 

 失敗した人って、都心の新築ワンルームマンションなんかを営業されて買ってしまった人たちが多くて、自分から不動産投資をやろうと思って勉強して始めた人で飛んじゃった人はあんまりいないですね。少なくとも私の仲間では飛んじゃった人はいません。まあ私の仲間の場合、アイムホームの河合社長が間に入っているわけで変な物件を買うことはありませんからというのはありますが。

 

 ただし、それはこの10年の話です。リーマンショックで物件の値段がドカンと下がり、今では考えられないぐらいの値段で中古のアパートなどは投げ売りされていました(私などもそれで恩恵を受けたクチです)。それから10年ずっと物件の値段は上がり続けて、そして金利も下がり続けてきました。

 

 これが何を意味するか。最近では買ってきちんと利益を出せる物件が非常に少なくなっています。これから不動産投資を始めようという人がしっかりとした利回りの物件を購入するのはとても難しい。つまり割高で購入しているのです。金利が安いということもあってそれでもなんとか回っていると思います。

 

 しかし、この高すぎる物件価格は必ず下がる時が来て、金利は上がる時が来ます。その時にどうなるか。

 

 さらに、人口が減り続けているのに供給されるアパートなどは増え続けています。需要が減って供給が増えているのですから、すでに家賃も下がり続けており、これからも下がり、空室は増えるわけです。

家賃が下がる・空室は増える・金利は上がる・物件価格が下がる

 家賃が下がると利回りが下がります。そして空室が増えるのですからさらにキャッシュフローが悪くなります。通常アパートローンなどは変動で組むため、金利が上がるとローンの支払いが増えます。

 

 そして遂に収入よりも支出の方が多い状態になり、耐えられずに物件を売却することになることもあり得ます。その時に物件の価格が下がっていたらローンの残額よりも売却価格の方が安いかも知れません。差額を貯蓄から払えれば良いのですが、それが払えなければ自己破産ということになりかねません。

 

 そう考えると、比較的安全な投資であるインカムゲイン目的の不動産投資で失敗する人もこれから多く出てくるかも知れません。

 

 

 もちろん、不動産投資を始める前にきちんと勉強しておけば、そんなことにはならないんですよ。購入する際に、どのぐらいの家賃設定ならば空室を出さずに済むか、今後どれぐらいの家賃の下落があるか、金利はどれぐらいまで上昇しても耐えられるか、購入する物件の資産価値は将来的にどうなるか。これらをきちんとシミュレーションしておけば、まず失敗することはありません。

 

 しかし、利回りの低い物件にも融資が付いてしまう状況があり(だから物件価格が高いのです)、それに乗ってきちんとシミュレーションせずに購入してしまう不動産投資の初心者が多くいるのもまた事実。

 

 金利はまだ上がる気配は見せないものの、去年(2017年)ぐらいから不動産向けの融資は金融機関は絞ってきており、物件価格は頭打ちになって下がりつつあります。

 

 これからまだまだ不動産価格は下がってくる可能性は高く、今はよほど良い条件でない限り焦って物件を購入しなくても良いのではないでしょうか。


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