不動産投資で物件の取得・売却時の諸費用の問題
安く買って高く売るキャピタルゲイン目的の不動産投資には他にも問題があります。仮に、物件を安く買え、そして何年もローンを払って待ち続けずともすぐに高値になって売れたとしましょう。どうなるでしょうか。
例えば、頭金2千万円を入れて銀行から8千万円の融資を受け、1億円の物件を購入したとしましょう。半年後に見事1千万円も値上がりし、1億1千万円で売却できたとします。2千万円を使って半年で1千万円稼いだことになりますよね。これは良い投資ではないですか?
この物件の例で言えば、実際は赤字です。物件を購入するには様々な費用がかかります。まず、不動産屋に払う仲介手数料がありますよね。さらに、抵当権の設定(融資を受けてるので銀行が抵当権を設定します)、そして移転登記するのに登録免許税と司法書士報酬がかかり、銀行から融資を受けているので火災保険にも入らなければなりません。あとは印紙代も馬鹿になりませんし、購入した後には不動産取得税もかかります。ローン手数料も払って、その上売却時にも不動産屋に仲介手数料を払います。
となると、※1億円の物件を取得して売却するには費用が1千万円以上かかる計算になり、取引で得られた1億1千万円よりも多くのお金が出ていってしまうのです。不動産投資の場合は少々の値上がりでは利益が出ないことがわかると思います。1割の値上がりではキャピタルゲイン目的の不動産投資においては失敗なのです。
では、次の「不動産投資で安く買って高く売る4」では、物件を買った値段を大幅に上回るような例で計算してみましょう。
※物件購入にはおおよそ物件価格の7%程度の費用がかかります。また、売却時には不動産屋に支払う手数料が3%かかるので売買で約10%の費用がかかる計算になります。
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