不動産投資における家賃と返済額の割合
家賃と返済額の適正割合は不動産投資の経験がない人が聞くと少し驚くかも知れません。シュミレーションをしてみましょう。
まず、購入する物件が7500万円で利回り10パーセントだとします。頭金を2500万入れて5000万円を借り入れ、返済は20年で金利が2パーセントとしてみましょう。
月々の家賃収入が60万円ちょっと、返済が25万円ちょっととなり、まあなんとか利益が出る感じでしょうか。同じ内容で金利だけを5パーセントにして計算してみましょう。月々の返済は家賃の半分を超え、約33万円です。これはかなり危険水域です。失敗して首が回らなくなるという可能性も否定できません(もちろん上手く回せる可能性もあります)。
「ちょっと待ってくれ。ローンが家賃の半分もないのになんとか利益が出るってどういうこと?」と思いませんか?もしも、年間を通してずっと満室で建物も劣化しないなんて計算であれば、固定資産税と所得税を払えばいいだけなので家賃がローンの半分でも全く問題ないです。でも、そんなことは絶対にあり得ません。
つまり、ワンルームが20部屋あるアパートなら、大体2ヶ月に1回ぐらいは退去があるわけです(ワンルームは居住期間が短い)。空室埋めて満室達成!って喜んでるそばから空室が出るのです。そしてその度に部屋をリフォームしなければいけません。空室率と部屋のリフォーム代、定期的に階段のペンキの塗り替えなど工事もありますし、さらには固定資産税等まで考えると家賃の4割ぐらいは経費としてかかると思っていた方がいいです。
だから仮に家賃が月に100万入っても、そこから4割引くと60万ですよね。ローンが50万超えていると、ちょっと空室が出ただけで赤字になってしまうんです。なので、最低でも返済は家賃の半分以下にしないとかなりキツイです。返済が4割以下になるとかなり楽になると思います。まず不動産投資に失敗してどうにもならないなんてことにはなりづらいです。
実際私の大家仲間でも家賃が月に50万で返済額38万円の人がいます。この人なんて完全に赤字です。全然回ってません。足りない分は給料から持ち出しになるので不動産投資をすることによって貧乏になっています。この人の目標はなんとか早くローンを終わらせて返済がなくなることを夢見ていますが、あと15年以上この人が持ちこたえられるかわかりません。途中で売ってしまう可能性が高いかと思います。
このように家賃と返済額の割合を間違えてしまうと、不動産投資に失敗して大家から引退ということもあり得るわけです。
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