お金をコントロールする力

自分の力で稼がないとお金をコントロールする力はつかない

 宝くじなどでタナボタ式に億単位のお金が手に入ると人生が狂うと言いますが、ほとんどの人にとってはその通りだと思います。

 

 人はそれぞれお金をコントロールする力を持っています。その力の範囲を超えたお金を持つと、コントロール不能になり、そのお金をきちんと使うことが出来なくなるからです。

 

 例えば宝くじで1億円当たったとします。普通のサラリーマンならその1億円をどのように使うでしょうか。

 

1億円の札束を持っているサラリーマン

 

 とりあえず、パーッと飲みに行き、その後大きな家と高級車を買って、それでもまだ余れば高級な時計や靴などを買い...なんて考える人も多いと思います。

 

 逆に、堅実にアパートを購入したり、株や投資信託を購入してお金を運用するという人もいるかも知れません。

 

 私は、家や高級車を買う前者がダメでアパートや株を購入して資産運用する後者が良いと言うつもりはありません。

 

 私からするとどちらもお金をコントロール出来ているとは言い難いからです。

 

 まず、家や高級車を購入し、生活が贅沢なってしまう人の問題点はわかりますよね。よくテレビなどでもやってるように、一旦上げた生活レベルを落とせずにお金がなくなった後は逆に借金生活になってしまうというものです。

 

貧乏になってしまった人

 

 なぜ、こういう事が起きるのか。宝くじで得たお金は決して自分の実力で稼いだものではありません。非常に低い確率で起こる幸運を掴んだだけの話です。なので、その人の人生の中で再度億単位の宝くじが当たる可能性はほぼないと言って良いわけです。

 

 それだけの額のお金を稼ぐだけの能力がないのに、それだけのお金を稼いできた人と同じ生活レベルにしてしまったらすぐに破綻してしまうのは自明でしょう。実力で億単位のお金を稼いできた人は、これから先もお金を稼ぎ続けることができるからその生活レベルを維持することが可能なのです。それを無視したお金の使い方をするとそういう不幸な事態が起きてしまうのです。

 

 では、不動産投資や株式投資の方はどうでしょうか。

 

 私なら宝くじで1億円当たっても人生が狂うことはありません。今までの経験から1億円程度ならばコントロールする力はあると思うからです。

 

 1億円を現金で使う(1億円を頭金にしてさらに銀行から融資を引っ張るということをしないならば)というならば、やり慣れた東京の多摩地区で新築で木造のアパートを建てるでしょう。この程度であれば失敗することはほぼないと思います。立地、土地の購入費用、建物の構造別の坪単価、家賃相場、そんなものが完全に頭の中に入っているので目をつぶっていてもスラスラと出てきます。

 

 では、3億円だったらどうでしょうか。これはちょっと私の実力では失敗する可能性が高くなってくると思います。というのは、私が今まで経験してきて得意としている東京郊外の木造アパートという投資にならないからです。

 

 たぶん、小さな鉄筋コンクリートの賃貸マンションを建てるとか、そこそこの大きさがある中古のRCのレジだったり、駅前の雑居ビルとかそういう投資になってくるのではないかと思います(やったことがないのでわかりません)。
投資にについて考えている人
 要は3億円というお金をコントロールする力は今の私はまだ持っていないということです。3億円を頭金にして銀行から7億円借り入れて10億円の不動産投資をするなんてことは完全に私のお金をコントロールする力の範囲外です。

 

 融資を受けるならやはり3000万円を頭金に銀行の融資を受けて1億円程度のプランを考えるぐらいが今の私の実力でしょう。これを超えてくるとリスクが高くなっていきます。

 

 もちろん、3億円を使って、1億円の新築木造アパートを3つ建てるとか、中古の木造アパートを6つ買うとかということならば私の実力の範囲内ですが、3億円をコントロールする力がある人からすれば、なんと勿体ないお金の使い方だと思われるでしょう。

 

 私だって、小さな中古の区分所有しかやったことない人が、1億円入ったから中古の区分所有を20戸買いますって言ったらなんて面倒なことをする人だと呆れますし。

 

 要は、2トントラックを扱う自信がないから、軽の1BOXを5台買いますみたいな世界で、そんなの2トン1台買った方が値段も安くて積載量だって多いのになんて無駄なことをするんだみたいな感じですかね。

 

 もちろん、自分の実力の範囲外だからやらないというわけではありません。私だって初めからアパートの購入・維持・売却等についてコントロールする力があったわけもなく、やりながら覚えていったのですから、もし自分のお金をコントロールする力を超えたお金が入っても当然しっかりと勉強した上でチャレンジします。

 

 それに、そもそも自分が慣れ親しんだ不動産投資ですし、私をサポートしてくれる、長い付き合いのある不動産屋や司法書士さんたちがいますので、まったく不動産投資をしたことがない人とはリスクの大きさが全く違います。きちんと勉強してその投資に対するはっきりとしたビジョンが描ければリスク自体はかなり低くすることができるでしょう。

 

 しかし、宝くじで1億円とか3億円当たった場合にいきなり不動産投資や株式投資にそのまま突っ込んでしまうのが非常に危険だということはわかりますよね。投資に関して全くの門外漢がそんな大きなお金を投資に回すのはとても危険なのです。

 

 不動産投資でも株式投資でも投資をする分野に関してしっかりと勉強し、経験を積みながらやがて1億円とか3億円を投資するのならば良いのですが、急にポンっと大金が入った人がそうやって準備して1年後とか2年後とかに満を持して投資を少額から始めるということは稀だと思います。

 

 だからこそ、お金をコントロールする力を持たない普通のサラリーマンが宝くじなどで大金が入ると人生が狂ってしまう人が多いのだと思います。


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