ファミリータイプのマンション投資
新築ワンルームマンション投資は、普通にやれば失敗する可能性が非常に高いことは理解できたと思います。可能性が高いというよりはほぼ間違いなく失敗する投資でしょうね。
では、ワンルームマンション以外のマンション投資はどうでしょうか。つまりファミリータイプのマンション投資ですね。
不動産投資の世界では常識なことの一つに、「土地でも建物でも小さく割れば割るほど全体としては高く売れる」というものがあります。具体的な例を挙げましょう。
25平米のワンルームマンションの家賃が7万円の地域があったとしましょう。その3倍の面積である75平米のファミリータイプのマンションの家賃は21万円取れるでしょうか。取れませんよね。同じ75平米でも小さく割れば割るほど全体としては高く取れるのです。
土地も同じです。大きな土地をまとめて売るよりも、小さく区切って売るほうが遥かに高く売れるのです。千坪の土地に大豪邸を一つ建てて売るよりも、30坪に区切って普通の戸建てをたくさん売った方が儲かるのです。
つまり、ファミリータイプのマンションよりも利回りの高いワンルームマンションでさえ利回りが低すぎて不動産投資としては不合格なのに、ファミリータイプのマンションが不動産投資になるわけがないのです。
東京都の多摩地区で75平米の新築ファミリータイプのマンションを3500万円で購入したとしましょう。利回り10%を達成しようと思ったら、毎月の家賃が30万円ですよ。不可能ですよね。せいぜいが15万円で貸せれば御の字ですから、これで利回り5%です。しかも表面利回りですから、これから積立金と管理費を引いたら無残なことになります。
積立金と管理費で3万円、固定資産税を月に直せば約1万円で計4万円を家賃から引くとすると利回りは3.7%、多摩地区は銀座じゃないんですよ。キャピタルゲインも望めませんし、全く不動産投資になりません。
仮に(ローンの期間を長く取れて金利も安い)住宅ローンで購入して人に貸し、利回りで考えることはせずにキャッシュフローで考えたとしても、毎月11万円以上(フラット35・金利2%で計算)ローンを払わないといけないのですから、空室が一切なく、ローンを支払っている間ずっと満室でも35年間赤字を出し続けることになります。家賃も下がり続けますし、空室が全くでないなんてことは考えられず、リフォームの費用まで考えたらとんでもないことになります。
さらに、最初に購入時の諸費用として数百万払うわけですから、新築のファミリータイプの不動産投資が投資の土台に乗ってこないことは火を見るよりも明らかですよね。まあ、そもそも新築のファミリータイプのマンションを投資用として売る業者もいませんが(^_^;)
ワンルームマンションはほとんど実需がないんですよ。ワンルームマンションを買って自分で住もうという人が存在しないので、実需のマーケットが存在しないんですね。でも、ファミリータイプのマンションは基本的には実需なので、利回りを無視して値段がつけられるため、わざわざファミリータイプのマンションを投資用として売る意味がないので業者もそんなことはせずに、普通に一般の家族が住むためのマンションを販売しているわけです(業者が売るのではなく、地主が自分で賃貸用ファミリータイプのマンションを建てるということはもちろんあります)。
新築のマンション投資はワンルームだろうがファミリータイプだろうがほぼ確実に失敗しますが、中古についてはどうでしょうか。次のページではは中古のマンション投資について説明します。
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