ポイントは住民の5分の4の賛成
さて、建て替えられるマンションとはどういうマンションなのでしょうか。
具体的に言えば、住民の5分の4以上の賛成があれば建て替えは可能です。つまり、一棟100戸のマンションで、80戸以上が建て替えたいと希望すれば建て替えられるということです。しかし、普通のマンションでは5分の4以上を建て替え派が占めるということはまずありません。
これはなぜでしょうか。
答えは経済的な理由です。マンションを建て替えるにあたって、今あるマンションを壊してさらに新しいマンションを建てるとなると1戸あたり1500万から2000万の費用がかかるのが普通です(もちろん、大きさや仕様によって相当変わってくるのであくまで平均的なラインとして)。
建て替えを検討するようなマンションというのはどういうマンションでしょうか。耐用年数が近いとか耐用年数が過ぎたマンションですよね。つまり築40年とか50年のマンションです。当時はマンションという言い方はしないで団地という言い方をするのが普通でした。
築40年の団地に住んでいるのはどういう人たちでしょうか。典型的なのは30歳〜40歳頃に団地を購入し、そのまま40年その団地に住み続けた70〜80歳ぐらいの世帯です。
そういう人たちの中で建て替え賛成派が主流を占めることはありません。
マンションを建て替えるには2〜3年はかかります。計画まで含めれば最低でも5年、普通はもっとかかるでしょう。お年寄りだって自分の寿命も考えます。70歳の方が平均寿命まで生きれるとしても、あと10年。実際に建て替えるまで5年かかるとすれば、その新しいマンションに住めるのは5年。その5年のために虎の子の2000万を出すでしょうか。私だったら出しません。建て替えには反対します。そもそも2000万も持っていない可能性が高いです。
あとは、お金のない若い世代なども古い団地に住んでいますよね。団地に住んでいる若い世代が2000万も出せるなら初めから団地は買っていません。新築のマンションを買っています。
つまり、経済的な負担が多すぎて、マンション建て替え派は多数派にはなれないのです。しかし、逆に言えば経済的な負担がなければ建て替えに反対する理由はないわけです。
さて、経済的な負担がない、もしくは経済的な負担が極端に少ないマンションというものはあるのでしょうか。
あるのです。それについては次の「キャピタルゲインとインカムゲインの両方を狙う投資5」で詳しく説明します。
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