資産に与える影響
簡単な例で、インフレが資産に与える影響を考えてみましょう。
Aさんは坪単価100万円の土地を100坪所有しており、評価額が※1億円の土地で資産を持っています。
一方Bさんは1億円の現金を持っています。つまり、円という通貨で1億円の資産を持っています。
この時点で所有する資産の価値に優劣はありません(流動性、税金、利回り等は無視します)。または土地は貸せば地代が入りますし、現金は銀行に預ければ利子が付きますが、いずれの資産も運用しないとします。
仮にインフレが年に7パーセント進んだとすると10年後に1億円の土地は2億円の資産価値があることになります。1億円の現金は当たり前ですが1億円の資産価値のままですね。インフレ時にお金の価値が下がったととらえるか資産の価値が上がったとらえるかは自由ですが(同じことですから)、インフレ時は現物資産(不動産や金など)の形で資産を所有しておけば資産の目減りを防ぐことができます。
注意してもらいたいのは、現物資産の価値が円であらわすと倍の2億円になったとしても他の物の値段も倍になっているので、現物資産の実質的な資産価値は変わりません。目減りしないというだけの話です。しかし、通常インフレのペースが速い状態では現物資産のインフレ率の方が生活物価の上がり方を上回るので、トータルのインフレ率が7パーセントでも、資産インフレ率はもっと高いためインフレ時に現物資産を持つということは、資産の目減りを防ぐ以上の意味があると言えます。
※「一億円の土地」を「一億円の金(貴金属)」と置き換えても構いません。
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